みなさん、こんにちは。
内山です。
本来、人は変化を嫌う動物ですが、何らかのイノベーション(変革)が生じてその状態が日常になることで人間としての進歩を続けているといえます。
そのイノベーションは常識から自然発生することはなく、なんらかの突出したアイデアから生まれるものです。
ネット上ではここ数年で全く新たな業態が生まれ続けていますが、同じ業種の中でも逆転の発想をすることでイノベーションを起こした例もたくさんあります。
全席禁煙のスターバックス
スターバックスが日本に進出したのは1992年です。
当時、街中には個人経営の喫茶店やセルフの立ちのみコーヒーのチェーン店がたくさんありました。
そこに集うお客の目的の多くは「喫煙」だったので、お店としても「喫煙所」として場所を提供することがあたりまえでした。(ぼちぼち分煙が始まる頃ではありましたが…。)
そして、店の佇まいも立派な扉とクローズドな空間を備えていることが多かったのです。
その時代にスターバックスは
「通りに面したオープンな雰囲気」で
「全席禁煙」
という思い切った戦略で進出を図ったのです。
しかもシステムはセルフにもかかわらず、
インテリアに凝って長居をできる空間を演出し、
品質にもとことんこだわったメニューを提供しました。
当然、単価は割高になりますが、
「タバコの煙が苦手な主に女性層のお客」
から火がつき、他の喫茶店とは一線を画したスタバブームが巻き起こりました。
喫煙者の減少については、いろいろな要因があると思いますが、スターバックスの存在がある意味で社会現象を惹き起こしたという事もいえるのではと私は考えています。
スターバックスは病院内に出店していることも多いのですが、「病院と喫茶店」という組合せもスタバならではだと感じます。
匿名取引のメルカリ
従来から「信用取引」という言葉があるように、物の売買は
「信頼できるところから買いたい」
「信頼できる人に売りたい」
という不文律で成り立ってきました。
これは
B to C(Business to Customer)
と呼ばれる企業と消費者間で行われる取引で、
「売り手である企業が責任を持って商品を消費者に販売する」
という最も一般的な形態で、いわば縦の繋がりです。
ネット社会になった当初も、大手の販売店がアナログ販売からネット販売へと移行していくという流れが主流となっていました。
しかし、掲示板やSNSなどネット社会でのユーザー同士の横のつながりが強まっていくにつれ
C to C (Consumer to Consumer)
と呼ばれる個人間での取引がされるようになってきました。
Business(企業)の代わりをConsumer(消費者)が担うという形態ですので、当然信用取引という面では脆弱性があります。
さらに、個人情報保護の観点からも大きな壁があったといえます。
そこでメルカリ等のフリマサービスを中心に広まってきているのが
「宅配業者と提携した匿名取引」
です。
従来の考え方では匿名同士では取引を管理する媒体や人がいないためこの取引は成立しません。
しかし、メルカリでは「取引はConsumerに任せる」という形態にもかかわらずこのビジネスモデルを成功させています。(自由に出品できるようなプラットフォームの提供と個人情報の管理はメルカリがしています。)
その秘密は
「当事者がお互いを評価しそれを公開する」
というフローによって支えられています。
商品やコメントに星をつけるというシステムはあらゆるところで使われていますが、メルカリの星は売買に関わった当事者たちの評価ですのでいわゆる「冷やかし」や「サクラ」の要素が排除されているのです。
そのため、売り手がConsumerではありますが、サービスがよく価格設定の上手な売り手は人気が出ますし、杜撰な管理しかできない売り手は淘汰されていくのです。
それでいて、個人情報を晒す必要がありませんので、まさにネット社会のウォンツをついた逆転の発想であったといえます。
日常的に逆転の発想をしてみましょう
こういったイノベーションを惹き起こす逆転の発想を日常生活に活かしていくと、自らの生き方を変えることができるようになるかもしれません。
貧乏学生時代から募金をしていたビル・ゲイツ
世界一のお金持ちにもなったビル・ゲイツ氏がポール・アレン氏とともにマイクロソフト社を起業したのは1975年、ハーバードの大学生時代です。
現在は慈善事業家として名を馳せておりますが、あまりにも規模が大きすぎるため羨望の眼差しと同時に妬まれることも多いのではと感じます。
「自分だってあれくらい金があれば世のために使うよ」
と管を巻くのは簡単ですが、ビル・ゲイツ氏が一代で現在の地位に登りつけたことは紛れもない事実ですし、最初から有り余る資金があったわけでもありませんでした。
それどころか、研究に没頭していた大学生のときは、ひとつのハンバーガーを分け合っていたこともあるといいます。そして、そのときからバーガーショップでお釣りを募金箱に入れていたという逸話があります。
「社会貢献は余裕のある人がすること」という概念を
「どんなときでも社会貢献を忘れない人に人とお金は集まる」
という逆転の発想をしてみると歯車がかみ合ってくることもあるのではと思います。
「できるだけたくさん税金を収める」斎藤一人さん
銀座まるかんの創業者である斎藤一人さんは長者番付(全国高額納税者番付)の上位に連続ランクインして2003年に累計納税者で日本一になった実業家です。
ベストセラー作家としても知られていて経営本や啓発本などを多数出版していますが、メディアへは一切顔を出しません。
その一人さんですが、経営を始めた頃は人並みに「節税」もして資金繰りに苦慮していたこともあるそうです。
しかし、あるとき一念発起して
「納税こそ社会貢献だ。日本で一番税金を収める人物になる」
という発想に転換しました。
そうしたところ、すべてのことが順調に運ぶようになり現在の地位を築くまでになったということです。
ちなみに長者番付で上位に位置する方々は、土地の売却だったり株式を公開したりしている人がほとんどなのですが、一人さんはその全てが事業所得だったという大変珍しい存在でした。
節約はとても大切なことですが、
「自分の会社の利益を守る」から
「世の中の利益のために自分の会社があるのだ」
という逆転の発想をしたことから一大偉業が成し遂げられたといえるでしょう。
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まとめ
- イノベーションは逆転の発想から惹き起こされていることが多い。
- 逆転の発想から成功した事例から生き方を学ぶことができる。