みなさんこんにちは。
内山です。
新年度が始まり、学生さんや新社会人を中心に新たな生活を始めた方も多いと思います。
しかし、環境が大きく変わり体調に変調を来たしやすいのもこの時期です。
とくに昔から問題とされているのが5月病です。
そもそも5月病って何?
4月を迎え、進学や就職で大きく環境が変化したとき、変化の真っ只中にいる4月の時期はまだ良いのですが、5月の連休前後の落ち着いてきた頃に以下のような症状に悩まされることがあります。
- 倦怠感が続く
- 集中力が続かない
- 焦燥感に囚われる
- やる気が出ない
- 食欲がない
- 寝られない、起きられない
これらの症状を俗に5月病と呼んでいます。
(正式な医学用語ではありません。)
教師として新入生を長年みてきた経験からすると、高校生や大学生の場合2割~3割の生徒や学生がこれを感じた経験があるのではないかと思います。
また、ひどいときは夏休み以降まで症状を引きずってしまいパニック状態に陥ってしまうケースもあります。
夏休みは生活が不規則になるばかりか、外界との接触機会も減るためによくない状態に拍車をかけてしまい、注意深くメンタルケアに努めなくてはならない例も少なくありません。
社会人になっても同様で、重い責任を負う役職についたときや転勤したときなどに多く見られます。
自覚してからでは厄介
「なんとなく辛い」
「ちょっとだるい」
とかの段階でギアを入れ直せればよいのですが、それが上手にできず5月病から抜け出せない人は「軽度のうつ症状」といわれることもあります。
自分の意志に反して心身の活動が目に見えて衰えていき、それに自覚をするとその自分とたたかってもうまくいかず負の連鎖に陥り、メンタル的にどんどん辛くなっていってしまうのです。
なので、この時期は視野を広く持って自分の状態に気を配り深い闇に落ち込まないようにすることが大切です。
5月病になる人とならない人の違いとは
「多かれ少なかれみんななる」
「ストレスがたまったら発散した方が良い」
などの言葉は日常的によく囁かれます。
しかし、全く5月病にならない人がいることも事実です。
「性格」や「才能」といってしまえばそれまでですが、私は体験値から
「5月病になりやすい人とならない人の違い」
は以下であると思っています。
- 5月病になりやすい人…環境の変化をゴールととらえている。(ゴール思考)
- 5月病になりにくい人…環境の変化をスタートととらえている。(スタート思考)
3月から4月にかけて環境が大きく変わった人は
「受験や就活、転勤などを乗り越えてそこにいる」
人がほとんどです。
つまり何かしらの「ゴールを達成し同時にスタートラインに立っている」ことになります。
このときに「ゴール」を強く感じているか(ゴール思考)、「スタート」を強く感じているか(スタート思考)が分かれ目になっていると私は信じているのです。
ゴール思考は「燃え尽き症候群」
自分が行き着いた場所がゴール地点であると思えば、羽を休め安住したくなります。
逆にその場所がスタート地点であると思えば、活動しようとします。
そこは自分にとっては新たな環境ですので、今まで以上に学び吸収し活発にならなければ生きていけない場所のはずです。
なのにゴール思考による燃えカスをエネルギーに活動しようとしても無理が生じるのは当然のことといえます。
しかし実をいうと日本の教育制度はその殆どがゴール思考で成り立っています。
「いい学校に入れば」
「安定した職種につければ」
という旗印のもと、受験生や就活生は今を犠牲にしながら試験を突破するためだけに生き続けています。
そうなると自ずから
「試験をパスして志望する環境に身を置くこと」がゴールとなりそこで始まることにはあまり関心を示さなくなります。
その結果、生き方が受け身となり新しい活力を見いだせずに歯車が噛み合わなくなっていきます。
それが5月病を引き起こす最大の原因であると私は考えています。
スタート思考は「燃料補給モード」
一方で「スタート思考」は、試験をパスして新たな環境を手に入れたことを次のステップとして見ることができている状態です。
誰しも最初は新人ですから、いきなりテイクオフはできないにしても、燃えカスと安住しようとしている「ゴール思考」とは全く逆に、「燃料を補給」していつでも活躍できる準備をしているモードであるといって良いでしょう。
このモードで新年度を迎えている人は5月病にはなりません。
また、ゴール思考に一時的に陥っていたとしても、自分がその環境にいる理由や意義を洗い直すことでスタート思考にギヤを変えることはできるはずです。
まとめ
- 新年度の新しい環境をゴールととらえるかスタートととらえるかが5月病になるかどうかの分かれ目である。
- 新しい環境をスタート思考でとらえると5月病にはならない。
- 5月病に陥る前に新しい環境に身を置いている意義を考え目を未来に向けることが大切。